退職後の「国民健康保険」は軽減制度を利用して支払額を抑える


退職が決まり健康保険の手続きを調べていると、国民健康保険には保険料負担を減らせる可能性があることが分かりました。
場合によっては健康保険の任意継続よりも保険料を安く抑えることができるようです。
そうなれば、収入が激減するこの時期、経済的にとても助かります。

国民健康保険料の軽減制度

平成22年4月から、会社都合による「非自発的失業者の国民健康保険料を軽減する制度」が開始されました。これにより、国民健康保険料の算出基準である前年所得のうち、給与所得を100分の30として算定してもらえることになります。この制度を利用することができれば、国民健康保険料を大幅に減らすことができるようです。

軽減を受けるための条件

国民健康保険料の軽減制度を利用できる条件は以下のとおりです。

・非自発的失業であること
〈参考〉雇用保険受給資格者証の離職理由コード
 特定受給資格者 11,12,21,22,31,32
 特定理由資格者 23,33,34
離職日時点で65歳未満であること

軽減される額

軽減の対象になると認められた場合前年の給与所得を100分の30として算定した金額で国民健康保険料を算出します。具体的な金額についてはお住まいの市区町村により異なりますので、市区町村役場の担当窓口で確認してもらうのが確実です。窓口に問い合わせに行く際は、スムーズに概算保険料を試算してもらえるように、前年度の源泉徴収票のコピーなど給与所得が分かるものを持参するといいと思います。

軽減を受けられる期間

軽減適用期間は「離職した翌日の属する月からその月の属する年度の翌年度末まで」となります。一年度は4月1日から3月31日ですので、期間は下記のとおりです。

退職日が12月31日から3月30日の場合   翌年の3月31日まで
退職日が3月31日から12月30日の場合   翌翌年の3月31日まで

ただし、期間中に就職し、勤務先の健康保険に加入するなど国保を脱退することで軽減期間は終了となります

軽減手続きの方法

この手続き雇用保険受給資格者証が必要になります。
したがって、手続きができるのはハローワークで失業手当の給付申請を行い、雇用保険受給資格者証が発行された後ということになります。無保険の状態を避けるためにも、退職後まずは国民健康保険加入手続きを行い、後日雇用保険受給資格者証が発行された時点で、あらためてお住まいの市区町村の担当窓口で軽減のための手続きを行うことが望ましいと思います。

必要になる書類は以下のとおりです。

・国民健康保険料減免申請書
・雇用保険受給資格者証の原本
・国民健康保険証
・運転免許証など本人を証明する書類

なお、申請書は窓口に用意されていますので事前に用意しなくてもその場で記入できます。自治体によってはマイナンバーカードが必要な場合もあるようですので、事前に確認が必要かもしれません。保険料は、後日送られてくる納入通知書で確認のうえ支払います

最後に

勧奨退職や解雇・雇止めなどの場合、次の仕事がまだ見つかっていないケースが多いと思います。
そんな時期に、経済的負担はできるだけ軽くしたいものですので、該当する方は必ず申請すべき手続きだと思います。