これまで頑なにガラケーを使い続けてきた父でしたが、3Gが終了するということでやっと「スマホに変更してもいいかな」という気持ちになったようです。
ただ、すでに70歳をすぎていることもあり「今更難しい機能は覚えられない」「今の料金にくらべあまり料金が高くならないほうがいい」などといろいろ要望があるようなので、納得して変更できるように少し調べてみることにしました。
シニア世代のスマホ保有率推移からわかること
上の表は、総務省のホームページで公表されているスマホの個人保有率推移のグラフです。
2013年から2017年の推移を見るとほぼ全年代で保有率が上がっていますが、シニア層だけを見てみると、大きな伸び率で全体平均に迫っている60代に比べ70代以降の伸び率は鈍く、全体平均の60.9%に対し18.8%とその保有率は極端に低くなっています。
スマホに否定的だったころの父の言葉がその一因をものがたっています。

「今更新しいことを覚えるのは面倒くさい」
「あまり使わないのに料金が高くなるのはもったいない」
気持ちの問題です。確かに高齢になってから新しいことを覚えるのは気持的に簡単ではないでしょうし、月々の費用負担も「スマホ代」よりも他に比重を置きたいものがあるでしょう。
納得してスマホに変更するためには、まずこの気持ちをクリアすることが重要だと感じました。
シニア世代におすすめできるスマホの条件
父の言葉を念頭に、納得してスマホに変更することができるよういくつかの条件を確認します。
1か月の携帯電話代
まず問題になるのが1か月の料金です。ガラケーであれば毎月1,000円ちょっとで利用できていたものが、突然3倍・4倍と高額になるとしたらやはり躊躇することでしょう。
ドコモ・AU・ソフトバンクのキャリアと呼ばれている会社のスマホ料金はガラケーの料金に比べどうしても高額になってしまいます。そこで毎月1,000円~2,000円程度で利用することができる格安SIM(MVNO)の中から候補を選ぶことにしました。
MVNO人気4社の最安プラン基本料金比較
プラン名 | データ量 | 月額料金 | |
楽天モバイル![]() | UN-LIMITⅥ | 1GBまで | 0円 |
3GBまで | 1,078円 | ||
20GBまで | 2,178円 | ||
20GB超 | 3,278円 | ||
mineo | Aプラン(au回線) | 1GBまで | 1,298円 |
Dプラン(ドコモ回線) | |||
Sプラン(ソフトバンク回線) | |||
くりこしプランS | 3GBまで | 1,628円 | |
シンプルS | 3GBまで | 2,178円 |
最低限必要なデータ量
次に考える必要があるのがデータ量です。ガラケーのような使い方をすると考えればそれほど大容量のプランは必要ないかもしれませんが、Web検索やメールなどを全く使用しないということは考えにくいので最低限必要であろうデータ量を考えてみました。
1GBで使えるサービスの目安(1か月あたり)
メールの送受信 | およそ 2,090通(1通あたり500KBとして) |
ホームページの閲覧 | およそ 3,490ページ(1ページあたり300KBとして) |
動画の視聴 | およそ 4.5時間(1分あたり4MBとして) |
音楽のダウンロード | およそ 250曲(1曲あたり4MBとして) |
1GBで使えるサービスの目安(1日当たり)
メールの送受信なら | およそ 69通/日(1通あたり500KBとして) |
ホームページの閲覧 | およそ 116ページ/日(1ページあたり300KBとして) |
動画の視聴 | およそ 9分/日(1分あたり4MBとして) |
音楽のダウンロード | およそ 8曲/日(1曲あたり4MBとして) |
上記一覧を見ると、メールやSNS、ホームページの閲覧がメインで動画や音楽の視聴は考えていない場合や、仮に大きなデータを使うときはWi-Fiを使うようにするのであれば1GBでもデータ量は足りるように思えます。多少余裕をもって考えても3GB程度のプランで十分ではないでしょうか。
音声通話にかかる料金
月々の費用は基本料金だけではありません。電話ですので音声通話もするでしょうからその料金がどのくらいかかるのかを考慮しておかないと、基本料金がいくら安くても月々の負担が大きくなってしまうこともあります。
MVNO人気4社の音声通話料金比較
割引プラン | 通話料金 | |
22円/30秒 | ||
かけ放題 シニア割(60歳以上) | 定額 770円 | |
22円/30秒 | ||
かけ放題 キャンペーン(60歳以上) | 定額 770円 | |
楽天モバイル![]() | 22円/30秒 | |
mineo | 22円/30秒 |
UQモバイルとY!mobileには、月額770円で通話料金が定額となるかけ放題プランがあります。
通常30秒ごとに22円の通話料がかかることを考えると770円で通話できる時間は17分30秒ですので、それ以上の通話料金が一律になるとてもお得なプランだといえるでしょう。
基本料金を考えると楽天モバイルが最もリーズナブルでしたが、音声通話量によって料金が変動するため思いのほか高額の請求が来る可能性があります。
その点、かけ放題のプランによって利用料金が一定額になるY!mobileとUQモバイルの2社は毎月の負担が予想できる安心感があります。
もし「音声通話はほとんどしない」「動画や音楽はあまり視聴しない」といった利用をする場合は楽天モバイルが最もリーズナブルかもしれません。
「かんたんスマホ」と「おてがるスマホ」を比較
ここまででY!mobileとUQモバイルのどちらかを選択するということになりましたので、2社が提供する「かんたんスマホ」と「おてがるスマホ」に絞って比較することにします。
「かんたんスマホ」と「おてがるスマホ」で選べるシニア向け端末
Y!mobile、UQモバイル共に京セラ製の端末をシニア向けスマホとして販売しています。スペックはほぼ同等のようですが、選べるカラーなどに多少違いがあるようです。
Y!mobileのかんたんスマホ2
Y!mobileのおすすめ端末は「かんたんスマホ2(A001KC)」です。
色はシルバー・レッド・ネイビーの3種類で、画面サイズは5.6インチです。
画像引用元:
Y!mobile
↓詳細は公式サイトで↓Y!mobile公式
UQモバイルのおてがるスマホBASIO4
UQモバイルのおすすめ端末は「BASIO4」です。
色はワインレッドとシャンパンゴールドの2種類、画面サイズは5.6インチです。
画像引用元:
UQモバイル
↓詳細は公式サイトで↓UQモバイル公式
「かんたんスマホ」と「おてがるスマホ」の料金比較
最もリーズナブルな料金プランでの比較です。
料金だけを見るとUQモバイルの「おてがるスマホ」が安く利用できそうです。
プラン | シンプルS | くりこしプランS | |
月額基本料金 | 2,178円 | 1,628円 | |
割引 | 60歳以上 通話 ずーっと割引キャンペーン | シニア割 | |
通話料金 かけ放題 | 通常1,870円 → 770円 | 通常1,870円 ~6か月目まで無料 7か月目~ 770円 | |
メール使用料 | SMS 3.3円/通 | 通常220円(税込)→無料 | |
データ容量 | 3GB | 3GB | |
月額料金 | 2,948円 | 6か月目まで 1,628円 7か月目から 2,398円 |
その他の選択要素比較
料金を口座振替で支払えるか
シニア世代の人に限らずクレジットカードを使って各種料金を支払うことに拒否反応を示す人はいると思います。格安SIMを提供している会社の多くが料金の支払い方法をクレジットカード払いとしている中で、支払方法の選択肢に口座振替があるということは、そのような人たちにとって重要な選択要素になるようです。
「かんたんスマホ」と「おてがるスマホ」のいずれもが口座振替可能でした。
大手キャリア系列の会社であるか
運営会社が大手キャリアのグループ企業であるということも選択要素の一つになりました。
MVNOのSIMを提供している会社は普段の生活ではあまり耳にしない名前のところが多い中、ソフトバンクグループのワイモバイル株式会社が運営するY!mobileや、KDDIのグループ企業であるUQコミュニケーションズが運営するUQモバイルは、シニア世代にとって安心度が高いようです。
結論
今回は父の初めてのスマホ選びということで、MVNO4社比較から始まり最終的にY!mobileの「かんたんスマホ」とUQモバイルの「おてがるスマホ」を比較してみました。
結果、ほとんどの条件が同等であった中で基本料金が少し安かったUQモバイルの「おてがるスマホ」がベストと考え選択することにしました。
ただし、地域によっては「繋がりやすさ」や「近隣にサポートショップがあるか」などの要素も考えなければならないかもしれませんし、お得なキャンペーンがあるかどうかなどでも選択肢は変わるでしょう。
利用する人によって違った選択になるのは当然だと思います。どのような使い方をするかをよく考えて後悔しないスマホ選びをしたいものですね。
この記事がシニア世代のスマホ選びの参考になれば幸いです。
他のプランを確認したいときはそれぞれのサイトをご覧ください。