自分や家族が「高齢者ドライバーによる交通事故」の加害者にならないために

高齢者ドライバーによるアクセルとブレーキの踏み間違いなどを原因とした交通事故が多発しています。事故を起こしてしまうのは決して高齢者に限ったことではないのですが、その事故の多くが重大事故につながっていることで社会問題化しています。
最良の策は運転免許証の自主返納なのでしょうが、本人として決断が難しいようですし、家族からもなかなか言い出しにくい話題です。

今回、運転免許証の自主返納とはどんなものか、それ以外に何か対策はないかを調べてみました。

頻発する高齢者ドライバーによる重大事故

東京・池袋での高齢ドライバーによる母子死亡交通事故は大きなニュースになり、以降高齢者による重大事故が注目されるようになりました。テレビなどでは連日のように高齢ドライバーへの注意喚起がされていましたが、その後も変わらず同じようなニュースが流れています。

4日午後7時5分ごろ、福岡市早良(さわら)区百道(ももち)2丁目の市道交差点付近で、少なくとも車6台が絡む事故がありー中略ー70~80代の男女2人が死亡した。ー中略ーこの車は80代の男性が運転しており、反対車線を逆走していたとの目撃証言もあるという。衝突の弾みで、死亡した男女が乗っていた車ともう1台が歩道に乗り上げた。

出典:2019年6月4日 朝日新聞デジタル

3日午前、神奈川県鎌倉市で、市道を歩いていた79歳の女性が、80歳の男性が運転する乗用車にはねられて死亡しました。運転していた男性は、病院に搬送される際、「アクセルとブレーキを踏み間違えた」と話していたということで、警察は運転操作を誤ったとみて詳しい状況を調べています。

出典:2019年7月3日 NHK NEWS WEB

このようなニュースを聞いていると、これからの自分や高齢の親のことが嫌でも気になってきます。このところどうすればいいか考えることが多くなりました。

 

高齢者に新しい免許証?対象となる人はどのくらい?

平成30年の年齢層や男女別で見た自動車運転免許証保有者数は下のグラフのようになっています。(参考資料:警察庁HP運転免許統計)

ニュースなどによると、頻発する高齢者によるアクセルとブレーキの踏み間違い事故などを受け、政府は75歳以上の高齢ドライバーを対象に、自動ブレーキシステムなど安全機能がついた車種に限って運転できる新しい自動車運転免許証の新設を検討しているようです。

もし本当にそのような制度ができると560万人余りの方がその対象になることになります。

平成30年末 年齢別、男女別運転免許保有者数(人)
年齢(歳)
65~69 4,066,902 3,271,012 7,337,914
70~74 3,368,967 2,289,675 5,658,642
75~79 2,262,875 1,110,327 3,373,202
80~84 1,242,698 407,636 1,650,334
85~   526,934 87,839 614,773
11,468,375 7,166,489 18,634,864
警視庁公式サイト運転免許統計より抜粋

政府によって運転に支障があるかもしれないと線引きされてしまった時、私たちはいったいどのような対策をすればいいのでしょうか。

 

自動車運転免許証自主返納

事故を防ぐために最も有効な方法は運転免許証の自主返納です。当たり前のことですが、運転をしなければ自動車事故の加害者になる可能性はなくなりますので。
ただし、ニュースなどで報道されているように高齢の方ほど自分の運転に自信を持っていると言われていますので、なかなか決断することは難しいようです。
ここでは、運転免許証の自主返納について見てみたいと思います。

平成30年の運転免許証の自主返納は42万件あまりあり、そのうち75歳以上が29万件強ということ過去最多を更新したことが警察庁のまとめでわかりました。頻発する高齢者の重大事故や、歌手で俳優の杉良太郎氏(74)や教育評論家の尾木直樹氏(72)など有名人の運転免許証自主返納のニュースなどが影響しているのかもしれません。

平成30年中の申請取消件数(件)
年齢(歳) 65~69 70~74 75~79 80~84 85~
人数(人) 30,726 83,702 110,407 112,359 69,323
警視庁公式サイト運転免許統計より抜粋

では自主返納の決断をした場合、具体的にどのような手続きをしたら良いのでしょうか。次はその方法や自主返納することにより得られる特典などを見てみたいと思います。

手続きするには

運転免許証の有効期間内に、管轄の警察署や運転免許センターに本人がその旨申し出ます。

必ず本人による申し出が必要です。

運転経歴証明書

運転免許証を返納することで写真付きの本人確認書類がなくなってしまうという方もいるかもしれません。そのような方のために、返納された方には運転免許証の代わりになる「運転経歴証明書」を発行してもらえます。
この証明書は公的証明書として各種機関で本人確認書類として認められています。

運転経歴証明書の交付申請期間は、自主返納した日から5年以内です。

自主返納することによる特典

運転免許証を自主的に返納することで、自治体によっては各種特典を受けることが出来ます。

運転経歴証明書で受けられる特典の例
・自治体運営の交通機関の割引や優待
・指定タクシー業者の運賃割引
・公共施設やホテルでの料金割引
・理美容院での料金割引
・金融機関での金利優遇

各地域の特典内容は下記のサイトで紹介されていますので、そちらもあわせてご覧になってみて下さい。

高齢者運転支援サイト:運転免許証の自主返納をお考えの方へ ~各種特典のご案内~

 

運転見守りサービスを使ってみる

運転免許証の自主返納をすれば、少なくとも加害者になる可能性はほぼなくなるのですが、仕事の都合や住んでいる地域などによってはどうしても手放せないケースも多いと思います。
そのような方のためにご家族が運転状況を見守り、場合によってはいろいろなアドバイスをしてあげることが出来るサービスが始まっています。

例えば「スマートドライブファミリーズは家族などの運転を見守ることのできるサービスです。スマートドライブのデバイスを車のアクセサリーソケットに挿すだけでセンサーにより運転操作を計測することが可能で、運転ごとの急加速・急ハンドルなど、どの操作が悪いのか・どこで急操作があったのかなどを知ることができるようです。


スマートドライブファミリーズ公式サイト

このようなサービスを利用することで家族は安心することが出来ますし、もし運転に支障があるような傾向を発見したら対策を話し合うきっかけになるかもしれません。

 

さいごに

自分のこととして考えた時、運転免許証を自主返納する決断は簡単なことではないと感じています。だからと言ってタイトルにあるように、自分や家族が加害者のなることは決して無いようにしなければならないと思っています。この先ハード面の技術がさらに進歩し交通事故のリスクは多少減っていくのかもしれませんが、それでも運転する人間次第で自動車は「走る凶器」となってしまう可能性があります。もし、自分の運転に不安を感じるようになったとき、決断できる人間になっていられるよう少しづつ心の準備を始めることにします。