普段何気なく使用している腕時計ですが、実はとても汚れているのを知っていますか?
特にメタルのバンドは隙間に汚れがびっしりこびりついていることがあります。
ネットフリマやリサイクルショップなどで中古の時計を買う人も増えているようですので、今回は参考にしてもらえるよう時計のケースを丸洗いした時の記録をまとめてみます。
道具を準備
まず準備したのが腕時計用の工具です。ネットで探したところ、とりあえずは使えそうなセットを2,000円弱で見つけることが出来ましたので早速購入してみました。
〈参考〉実際購入したものとは少し違いますがこのようなセットです。
購入したセットとあわせて今回準備した道具は以下のようなものです。
- 時計の裏蓋をこじ開ける道具(上記画像右下にある黄色い道具)
- ベルトの留め具部分のばね棒をはずす道具(上記画像中央のゴールドの道具)
- ピンセット
- 洗浄する部品を入れる少し深めの容器
- 使用済みの歯ブラシ
- 裁縫用の針など先のとがった棒(リューズをはずすときに使用)
- 指サック
- キッチン用スプレー式洗剤
※腕時計の主な汚れは皮脂などの脂汚れということで眼鏡洗浄剤が有効と言われていますが、今回は少し汚れがひどかったのでキッチン用洗剤を使用することにしました。
道具の準備ができたら早速作業に入ります。
作業前の汚れを確認
今回クリーニングする時計です。
一見それほど汚れているようには見えないのですが、近寄ってみるといろいろな部分が汚れています。下の画像を見るとかなり汚れているのがわかります。
ケースのアップ右下の部分(ケースとベゼルの間)など特に汚れているのがわかります。
留め具のアップ相当汚れています。このままではちょっと使いたくないと思ってしまう汚れです。
機械(ムーブメント)をケースから外す
ベルトのばね棒をはずし裏蓋を開ける
ベルトのばね棒をはずす
画像の赤丸部分にばね棒をはずす道具を差し込みはずします。
ばね棒は無くさないよう保管します。
使う道具はこんな形
裏蓋を開ける
画像の赤丸部分に蓋をこじ開ける道具が使えるへこみがあります。
そこに道具を差し込みこじ開けます。
使う道具はこんな形
ベルトの留め具のばね棒をはずし裏蓋を開けた画像です。
蓋をはずした部分も相当汚れているのがわかります。
裏蓋には「指定外の電池は使用しないように」という旨のソーラー時計特有の注意書きがありました。
リューズを引き抜きケースをはずす
上の画像の赤丸部分に矢印が刻まれています。
この矢印で示された部分(PUSHと書いてあるものもある)を先の細い棒で押しながら竜頭を引き抜きます。
これで機械をケースから外すことが出来るようになりますので、文字盤や針に触らないよう細心の注意を払いながら機械部分を外します。
〈写真〉ケースから機械をはずしました。
- 右 :機械が外れたケース
- 左上:ケース裏蓋
- 左中:竜頭とパッキン
- 左下:機械(ムーブメント)
※文字盤と針はつけたままです。
機械部分は文字盤も含めてケースクリーニングが終わるまでゴミなどがつかないように保管しておきます。布などの上に置いてしまうと細かい糸くずなどが付いてしまうので、プラスチック製の眼鏡ケースに入れておくことにしました。小さなお菓子の箱でもよかったかもしれません。
ケースを洗浄する
洗浄の本番です。
汚れの程度によって洗剤の量や浸けおき時間を考える必要があります。
浸けおき用の容器に部品を入れます。
浅い容器では全体を洗浄液に浸すことが出来ないので、ある程度深い容器を使います。
部品の上から洗浄液を噴射し、水(お湯)で多少薄めしばらく浸けておきます。
その後、部品一つ一つを手に取りはブラシで汚れを落とし最後にお湯ですすぎます。
- 水分をとる際、風防ガラスの内側は糸くずなどつかないよう眼鏡ふきを使いました。
- 竜頭の穴などは完全に水分をとるためドライヤーで乾かしました。
洗った部品を取り出した後の容器です。
洗浄液の底に汚れがたまっているのがわかります。
こんなに汚れていたのですね。
機械とベルトを戻す
洗浄が終了したら組み直します。気を緩めて壊してしまわないように慎重に作業します。
ケースが完全に乾いていることを確認し、機械をケースに戻し竜頭をつけて裏蓋を閉めます。最後にばね棒でベルトをつなげば完成です。
機械(文字盤)を戻す際には風防ガラスの内側にゴミがついていないことをしっかり確認します。キズミと呼ばれるルーペなどでしっかり確認し、細かいゴミはブロアのようなものでしっかり除去します。
さいごに
洗浄後の腕時計の確認画像
ケース周りの汚れはきれいになくなりました。ベルトの留め具もきれいになって気持ちよく使えそうです。
今回は腕時計を洗浄してみましたが、あらためて随分汚れていることがわかりました。
失敗すると時計が動かなくなる可能性もあるので時計本体のクリーニングは控えたほうがいいのかもしれませんが、ベルトなどたまに拭くだけでも随分違うと思いますのできれいにして気持ちよく使いたいですね。
昔なつかしいゼンマイ式の柱時計も分解洗浄してみました。