「がん」しか保障されない「がん保険」は何故必要なのか?その理由をあらためて考えてみる

テレビでCMを見ない日がないほど身近な生命保険が医療保険ですが、そんな中で対象となる病気を絞って保障する数少ないタイプの医療保険が「がん保険」です。

「何故がんだけを保障する保険があるのか?」

「がん保険とはどのような保険なのか?」

「がん保険は必要なのか?」

今回はそんなことを少し考えてみたいと思います。

日本人の2人に1人はがんを経験する

現在日本では2人に1人が何らかのがんを経験すると言われています。
国立研究開発法人国立がん研究センターにある「がん対策情報センター」では、下の表のようにがんに罹患するリスクをまとめています。

現在年齢別がん罹患リスク

男性
現在の年齢10年後20年後30年後40年後50年後生涯
30歳0.60%2%7%20%41%62%
40歳1%7%20%41% 63%
50歳5%19%40%  63%
60歳15%38%   63%
70歳29%    60%
女性
現在の年齢10年後20年後30年後40年後50年後生涯
30歳1%5%10%18%29%47%
40歳3%9%17%28% 46%
50歳6%14%25%  44%
60歳9%21%   41%
70歳14%    36%

参照:国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター公式ホームページ

上の表は50歳男性の場合20年後までに19%、30年後までに40%の確率でがんと診断されることをあらわしています。

表右端にある生涯の欄をみると、男性で約6割以上、女性で約4割以上の割合でがんにかかるリスクがあるということがわかります。
つまり、男性の場合は2人に1人より高い確率でがんを経験するということになります。

がんの治療

がん治療には3大治療と呼ばれているものがあります。

外科的治療である「手術抗がん剤治療などの「薬物療法、そして放射線治療がその3つであり、がんの部位やステージによってそのいずれかが選択されるようです。

また、それら以外にも最近では医療技術の進歩により、免疫療法造血幹細胞移植などの新しい治療法も次々に使われるようになり生存率も上がってきているのですが、どうしてもがん治療の場合、「治療期間が長くなる」「外来での治療が多くなる」「一定期間再発の心配が続く」といった特徴があり大きな費用が必要になりがちです

がんの主な治療法

手 術

がんそのものや、がんのある臓器を切除する治療法です。一部のケースでは、メスでの開腹を避け内視鏡を使ってがんを取り除く場合もあります。

薬物療法

がんを治したり、進行を抑えたり、あるいはがんによる身体症状を緩和したりするために薬剤を用いて行う治療法です。「化学療法」「内分泌療法(ホルモン療法)」「分子標的療法」などの種類があります。

放射線治療

人工的にある種の放射線をつくり出して患部にあてることにより、細胞のDNAに損傷を与え、がん細胞を死滅させる治療法です。単独で行われる場合と薬物療法や手術と併用して行われることがあり、後者はそれ全体を集学的治療と呼びます。

免疫療法

免疫本来の力を回復させたり強めたりすることにより、がん細胞を排除する治療法です。オプジーボなどの免疫チェックポイント阻害薬を使い免疫の活性化を持続する方法や、インターフェロンなどの薬剤を使い体内の免疫を強める方法などがあります。

造血幹細胞移植

通常の化学療法や免疫抑制療法だけでは治すことが難しい血液がんなどに対して、自分やドナーから事前に採取した造血幹細胞を点滴で投与する治療法です。他の治療法に比べ非常に強い副作用や合併症を生じることもあります。

がんの治療方法についてはこちらのサイトを参照させていただきました。
⇒ 国立がん研究センター がん情報サイト

がん保険

以前は「日本人の4人に1人はがんになる」と言われていた時代もありましたが、当時からその数は徐々に増えると言われており、現在では2人に1人ががんになると言われるほど「がん」は誰もが罹る可能性のある病気になりました。

一方、医療技術の進歩により「がん」は不治の病ではなくなりましたが、その治療には時間とお金がかかるようになっています。

そんな環境を背景に、がんに特化した保険である「がん保険が生まれたのでしょう。

がん保険の特徴

がん保険には、診断確定時に一時金のみ支払われるタイプと、入院・通院などの治療過程で給付金が支払われるタイプのものがありますが、後者は保障対象を「がん」に限定することで一般的な医療保険にはない保障内容も付加されています。

通常支払日数制限がある一般の医療保険の入院保障と違い、がん保険では入院給付金支払限度日数を無制限に設定しているものが主流です。
これは「がん」が再発・転移のリスクやそれにより入退院を繰り返すケースがある病気だからこその設定です。

その他にも以下のような保障がはじめから保障に組み込まれていたり特約として付加することが出来たりします。

  • 診断確定の度に何度でも支払われる診断給付金
  • 入院の有無を問わない通院給付金
  • 支払日数無制限の通院給付金
  • 抗がん剤治療や免疫療法など特殊な治療のための給付金

※上記内容はあくまでも一例でその内容は保険会社により異なります。
※保険によっては各種条件がある場合があります。

がん保険の必要性

下の記事でも書きましたが、公的医療保険の各制度を活用することで医療費はずいぶん抑えることができます。
しかし、そうは言っても再発や転移、長期療養といったリスクがある病気ですので、月々の負担は徐々に家計を圧迫していくと思われます。
そう考えると、現時点では各種保険の中で必要性が高い保険なのではないかと思います。

 

 

どんながん保険でも契約していれば安心?

既にがん保険に契約しているからといって決して安心だとは言い切れません。
例えば、20年以上前に契約した「がん保険」は入院治療を想定して作られた保険なのに対し、現在の治療方法はというと通院主体に変化しているからです。

下の表は、厚生労働省平成26年患者調査の抜粋ですが、入院患者数は減少傾向なのに対し、外来の患者数は年々増加していることが分かります。

平成26年患者調査 悪性新生物の抜粋

Ⅱ 新生物 平成11年14年17年20年23年26年
悪性新生物総数256.7259.1285297.8298.3300.8
入院136.8139.4144.9141.4134.8129.4
外来119.9119.7140.1156.4163.5171.4
厚生労働省平成26年患者調査 推計患者数の年次推移,入院-外来×傷病分類別抜粋  単位:千人

初期の「がん保険」は、保障が入院と手術のみであったり、通院保障は付いているもののその支払には細かい条件があるものなど、現在の医療事情に合わないものも少なくありません。

「いつ契約したかわからない」ような保険の場合は、一度内容を確認する必要があるでしょう。

さいごに

いくら公的医療保険制度が充実しているとはいえ、「がん」になってしまった時には貯金を切り崩すなどして自己負担分を支払わなければなりません。もし気になっていたり心配であったりするのであれば、自身には「がん保険」が必要かどうか、一度資料を取り寄せ考えてみましょう。
また、既に「がん保険」に入っていても安心とは考えず、何年もの間内容を確認していない保険は一度確認してみることをお勧めします。
そのうえで、もし見直しが必要だと考えた場合は、安易に同じ保険会社で更新せずにいくつかの保険会社に問い合わせてみましょう。「がん保険」は外資系保険会社の独壇場だった昔と違い、今では多くの保険会社がいろいろな「がん保険」を販売していますので。