エンディングノートを自作しながら終活ですることを確認してみた ~オリジナルエンディングノートを無料ダウンロードできます~

終活という言葉が世の中に認知されて十余年。それとともに拡がったのが終活の初めの一歩となるエンディングノートです。

これまでの人生を振り返り現在の自分を確認する。
これから何をしたいか何をすべきかを考える。
遺される人に伝えるべきことや自分の考えを伝える。

今回はオリジナルのエンディングノートを作成しながら終活について考えてみました。

はじめに

『エンディングノート』という言葉の意味をそのまま考えれば「終わりのノート」ということになるでしょう。
そのため「自分の死を考えるノート」という解釈が大半を占めますが、今回作成したオリジナルのエンディングノート《ライフメモ》は「人生最期のときまで不自由なく充実した時間を過ごすためのノート」になるよう考えました。
この記事では、そんなノートの内容に沿って終活ではなにをすればいいかについて考えてみたいと思います。

《ライフメモ》はPDFファイルとして無料公開していますので、必要に応じダウンロードして利用してください。

「ライフメモ」をダウンロード

 

エンディングノートを自作して「自分のこと」を書く

自 分

まず自分のプロフィールをあらためて確認します。
運転免許証や健康保険証の識別番号などあらためて確認しなければ覚えていないような情報を家族など近しい人に伝えて、自身に何か起きたときにサポートしてもらえるよう準備をします。

《ライフメモ》では2ページに以下のようなことを記入します。

《ライフメモ》P2

  • 氏名・生年月日・住所など基本的な情報
  • 住所と本籍地
    現住所と本籍地が異なる場合もありますのでしっかり確認しておきます。
  • 勤務先
  • 個人情報(公的な識別番号など)
    健康保険証の番号や自動車運転免許証の番号など本人証明に使用することもありますので備忘録としても役に立ちます。
  • その他の情報
    メモとして趣味や特技などを記入しておいてもいいかもしれません。
マイナンバーの記入はノートの紛失時のことも考え慎重に扱いましょう。例えば番号は記載せずマイナンバーカード(通知カード)の保管場所を記入しておく方法もあります。

経 歴

自分の生まれた家、これまで通った学校、学生時代に住んだアパート、職場や新婚時代に住んだ家などを振り返ります。
これまでの住所地を記録しておけば戸籍などの資料を取り寄せる必要が生じた際に役立ちます。

《ライフメモ》では3ページに以下のようなことを記入します。

《ライフメモ》P3

  • 学歴・職歴
    必須の項目ではないかもしれませんが、その当時を思い出しながら記入しておくのもいいでしょう。
  • これまでに住んだことがある場所(住所)
    戸籍の収集作業が必要な場合参照することが出来ます。

家 族

家族の情報は少し離れた親族まで分かるように確認しておきます。
家系図を作成すれば誰もがそれを見ることで簡単に親族関係を把握することができますから、Excelなどを使い自分で作成したりネットで公開されているひな型を使用したりして準備しておいてもよいでしょう。

《ライフメモ》では4ページに以下のようなことを記入します。

ここまでのまとめ

エンディングノートの基本項目でもある自身のプロフィールを確認しました。
いずれも家族・親族などに各種手続きを代行してもらうことになった場合、それらをスムーズに進めることができる材料となりますので整理しておきましょう。

 

エンディングノートを自作して「お金にかかわること」を書く

預貯金や金融商品

将来、口座管理料の負担が当たり前になることを想像し、いつの間にか増えてしまっている本人名義の銀行口座を調べ不要な口座があれば整理します。
引き続き保有する口座や証券・金の積み立て・仮想通貨など預貯金以外の金融商品口座はその詳細が分かるようにしておきます。

《ライフメモ》では5・6ページに以下のようなことを記入しましょう。

銀行口座

《ライフメモ》P5

  • 金融機関名・支店名
  • 口座番号
  • その他の事項
    ネット銀行の場合メモ欄にIDやログインパスワードなどを記入しておきましょう。
決済用のパスワードはノート紛失時のことを考え記入は控えるべきでしょう。
キャッシュカードの暗証番号などの扱いも慎重に。

証券口座やその他の金融商品

《ライフメモ》P6

  • 金融機関名・支店名
  • 口座番号
  • その他の事項
    保有している株式などを記入しておきます。多くの銘柄を保有している場合は次の項目の保有資産に記入したほうがわかりやすいかもしれません。銀行口座同様決済用パスワードなどの記入は控えるべきでしょう。
  • その他金融商品名
  • 取り扱っている会社名
  • その他の事項
    メモ欄には特記事項や連絡先を記入しておきましょう。

定期的な支払い

所持しているクレジットカードなど信販会社の情報を確認し、年会費が発生する使用頻度の低いカードは極力整理します。
年会費がゼロであっても全く使用しないものであれば、各種リスクを避けるためにも解約しておくべきでしょう。
また、公共料金のように自動で引落されるサービスやインターネットプロバイダなどの有料サービスも、万が一の口座凍結に備え確認しておきましょう。

《ライフメモ》では7~9ページに以下のようなことを記入しましょう。

クレジットカード

《ライフメモ》P7

  • カード名(取り扱い会社名)
  • カード番号と引き落とし口座
  • その他の事項
    毎月の引き落とし日や、貯まったポイントを確認・使用する方法なども記入しておきましょう。
クレジットカード情報は場合によって悪用される恐れがあります。カード番号の欄は全て記入せず下4桁程度は「XXXX」など伏字にしておいた方が安心です。

公共料金など定期的な支払い

《ライフメモ》P8

  • サービス名
    電機・水道・ガスなどの公共料金をはじめ自治会費や習い事などできるだけ記入しておきます。
  • 引落金融機関
  • その他の事項
    備考欄は何か記録しておくことがあれば記入しましょう。定額のサービスであれば金額を記入しておくのもいいでしょう。

ネット関係の有料サービス

《ライフメモ》P9

  • サービス名
    サービス名に加えてサービスの内容も記入しておきます。
  • サイトURL
    トップページやログインページのURLを記入しましょう。
  • 会員ID・パスワード
  • 引落金融機関
    料金の支払い手段を分かるようにしておきます。
  • その他の事項
    登録しているメールアドレスなど、上記以外で記録するものがあれば記入しましょう。

資産や債務

保有している資産や債務について確認し記録しておきます。
趣味で集めた高価な骨とう品や美術品、自動車などの動産や貸しているお金、借りているお金などもあわせて記録しておくとよいでしょう。

《ライフメモ》では10~12ページに以下のようなことを記入しましょう。

保有不動産

《ライフメモ》P10

  • 不動産の種類
    建物・宅地・マンションなど不動産の種類を記入します。
  • 不動産の内容
    住居であれば自宅、賃貸していれば貸家・駐車場などその不動産がどのようなものかを記入しましょう。
  • 所有名義人・所在地住所
    共有名義の場合は共有者の名前や持ち分も記入しましょう。
  • 特記事項
    面積はどれくらいか、抵当は付いているか、権利書はどこにあるかなどを記入しましょう。

動産や貸しているお金など

《ライフメモ》P11

  • 内容
    分かる範囲で詳細を記入します。
  • 備考欄
    保管場所や保険加入の有無など記入しましょう。内容が貸したお金であれば相手の名前や連絡先も記入しておきましょう。

借金・ローン・その他の負債

《ライフメモ》P12

  • 名称(借入目的)
    住宅ローン、教育ローンなどの名称やフリーローンの場合はその使用目的を記入します。
  • 借入金額・借入先
  • 借入日・返済期間
  • その他の事項
    メモ欄には金利やその時点での残債などを記入しておいてもいいでしょう。担保があればそのことも記入しましょう。
  • その他の負債
    もし誰かの保証人になっている場合などはその相手や内容などを細かく書いておきましょう。
将来だれかに迷惑をかける可能性がある負債などはすべて詳細に記入しておきましょう。

加入保険

契約している保険は、その保険証券などを1カ所にまとめわかりやすくしておきます。
保険の請求は家族など本人以外がすることも多いので、そういう人たちにわかりやすいように契約内容のポイントをまとめ記録しておくといいでしょう。

《ライフメモ》では13・14ページに以下のようなことを記入しましょう。

生命保険

《ライフメモ》P13

  • 引受保険会社
    契約している保険会社名を記入します。あわせて何かあった場合の連絡先も記入しましょう。
  • 保険商品名
    どんな種類の保険に入っているのかがわかるようにしましょう。
  • 証券番号
    保険会社に問い合わせる場合必要になりますので記入しておきましょう。
  • 被保険者・受取人
    誰のための保険か、誰が受け取れるのかがわかるようにしておきましょう。
生命保険は保険会社から直接ではなく勤め先や知り合いをとおして契約しているケースが多いと思います。そのような場合、連絡先欄には保険会社ではなくそれらの問い合わせ先を記入してもいいかもしれません。

損害保険

《ライフメモ》P14

  • 引受保険会社
    契約している保険会社名を記入します。
  • 連絡先
    自動車保険などは多くの保険会社が事故専用ダイヤルを設置しています。事務手続きをするための連絡先と合わせてそちらの連絡先も記入しておきましょう。
  • 保険商品名
    「火災保険」「バイク保険」など何に対する保険なのかがわかれば実際の商品名はそれほど重要ではないと思います。
  • 証券番号
    保険会社に問い合わせる場合必要になりますので記入しておきましょう。

ここまでのまとめ

預貯金をはじめとする資産や負債、月々の支払いや契約している保険の保障対象などは、あらかじめ整理しておかないと、いざという時すぐには内容が把握できないものです。
将来大切な人たちが困ることの無いようきちんと整理しておきましょう。

また、せっかくの機会ですので保険の見直しをしてみましょう。自動継続されている不要な保険が見つかるかもしれません。

下の記事に生命保険の種類について簡単にまとめてありましたので参照ください。

 

エンディングノートを自作して「これからのこと」を書く

これからやりたいこと

何も考えずにいるとあっという間に時間は過ぎていきます。
これからやってみたいこと、これまで気になっていたけれど出来なかったこと、まだ達成できていない以前からの目標などをリストアップし、無理せず楽しく実践できるようにしましょう。

《ライフメモ》では16ページに以下のようなことを記入しましょう。

《ライフメモ》P16

  • やりたいこと
    固く考えず思いついたことを記入しましょう。
    達成予定も記入しておけば計画的に行動することが出来るかもしれません。

これからやるべきこと

「時間が無くてできなかった家の修繕」「不要になった銀行口座や生命保険の解約」などこれから何をしなければならないかをリストアップし、予定を考えひとつずつクリアしていきましょう。

《ライフメモ》では17ページに以下のようなことを記入しましょう。

《ライフメモ》P17

  • やるべきこと
    「やりたいこと」と重複して考えてしまうかもしれませんが、こちらには必ずしなければならないと考えることを記入しましょう。
  • いつまでにするか
    これまで後回しにしてきたことなどもあると思います。
    必ず行動に移すためにも予定を記入しましょう。

断捨離

不要になったもの、長い間使っていないものなどをリストアップしましょう。
「いつか使うかもしれない」と思い何年も保管しているものの多くは使う日が訪れません。
保管期限を決めそれまでに使用しなかったものは思い切って処分してもいいと思います。

《ライフメモ》では18ページに以下のようなことを記入しましょう。

《ライフメモ》P18

  • 処分するもの
    記入したからと言ってすぐ処分する必要はないと思います。「また使う機会があるかもしれない」「将来プレミアがつくかもしれない」などと考え、長い間クローゼットの奥にしまったままのものなどをリストアップしておきましょう。
  • 処分方法
    処分=廃棄ではありません。もし欲しいという人が周りにいれば譲ってあげるのもいいでしょう。最近ではリサイクルショップが数多くありますので売却してもいいかもしれません。どんな方法で処分するか目安を記入しておきましょう。

ここまでのまとめ

ここでは今後のざっくりとしたライフプランを考えました。

年齢を重ね実感するようになったことは時間の流れの速さです。休みの日など気を抜いているとあっという間に一日が終わってしまいます。時には何もせずに気持ちと体を休めることも大切ですが、「元気なうちにやりたい10のこと」など目標を立てて生活することで、これからの人生がより充実したものになるのではないでしょうか。

 

エンディングノートを自作して「もしもの時のこと」を書く

重度の病気になってしまった時

もしも「がん」など重度の病気になってしまった時のことを考え、どんな治療方針を希望するか、そのための費用は準備しているかを家族などに伝わるよう記録しておきます。

《ライフメモ》では20ページに以下のようなことを記入しましょう。

《ライフメモ》P20

  • 病名告知を希望するか否か
    全ての病気に対して一律ではなく、病名や宣告余命により告知の判断をしてもらえるよう記入することもできます。
  • 終末期医療の希望
    余命宣告され最期のときを迎えるまでの希望を記入します。
  • 延命治療を希望するかどうか
    単に希望するか否かだけではなく、希望する場合はどのようなケースで希望するのか、希望しない場合でも「痛みなどの苦痛を取り除く処置は積極的にしてほしい」などの要望を細かくメモしておくとよいでしょう。
  • ドナー登録について
    登録している場合はどのような機関に登録しているのか、それに関する書類はどこに保管してあるかなどを記入します。
  • 最終的な判断をお願いする人
    自身で意思を伝えられなくなってしまった場合など、治療の方針や方法について代わりに決めてもらいたい人を考えておきましょう。記入に際しては当人にそのことを伝えておきましょう。
  • 保険に加入しているか否か
  • 加入保険
    医療保険などに加入している場合は商品名を記入します。「保険のこと」の項目で詳細を記入しているのでここでは商品名と保険会社名など簡単に記入しておけばよいでしょう。
入院治療については公的医療保険や後期高齢者医療制度により自己負担は軽減されますので、ここでは不足分を補完する民間保険についてのみ記入しておきます。在宅での療養となった場合のことは、次の項目の「介護状態になってしまった時の費用」で記入します。

介護が必要になった時

もしも介護が必要な状態になってしまった時のことを考え、希望や要望はあるか、そのための費用は準備しているかを家族などに伝わるよう記録しておきます。
不慮の事態に備え既往症や常用薬のこともまとめておきましょう。

《ライフメモ》では21・22ページに以下のようなことを記入しましょう。

介護方法の希望や費用

《ライフメモ》P21

  • 最終的な判断をお願いする人
    自身で意思を伝えられなくなってしまった場合などの介護方針ついて代わりに決めてもらいたい人を決め、その旨を当人に伝えた上で名前を記入しておきましょう。
  • 財産などの管理をお願いする人
    最終的な判断をお願いする人と同じにすることで各種手続きがスムーズになるかもしれません。後見人を決めておく場合には公正証書を用意する必要があります。
  • 介護してほしい場所と人
    どこで誰に介護してほしいかを記入します。もし希望どおりにならない場合どうするかもあわせて記入しておきましょう。はじめから複数の選択肢を用意しておいてもいいかもしれません。
  • 介護費用として考えている資金の有無
  • 準備している費用詳細
    預貯金を費用として考えていればどの口座のお金か、費用負担のために資産の売却を考えている場合にはどの資産かなどの詳細を記入しましょう。
  • 保険に加入しているか否か
  • 加入保険
    もし介護保険などに加入していれば商品名を記入します。「保険のこと」の項目で詳細を記入しているのでここでは商品名と保険会社名など簡単に記入しておけばよいでしょう。

伝えておくべき健康状態

《ライフメモ》P22

  • 既往症
  • 常用薬
  • アレルギー

 

健康状態を伝えることは、もしもの事態を避けるためにも介護してくれる人に迷惑をかけないためにも重要な作業です。細かいことも含めて丁寧に記入しましょう。

 

ここまでのまとめ

ここでは重い病気になってしまった時や要介護状態になってしまった時のことを確認しました。
超高齢化社会となった今、年齢が上がるにつれ病気にかかるリスクは当然上がりますし、そうなれば介護は他人ごとではなくなっていきます。
もし自分がそうなってしまった時のことを、関わってくれる人のことも考えながらしっかりシュミレーションしておきましょう。

 

エンディングノートを自作して「最期を迎えたときのこと」を書く

葬 儀

自分の葬儀について考えることはあまり気持ちのいいものではありませんが、いざというときに遺される人たちにあまり負担をかけないよう葬儀の方法や出席者・内容の希望などについて考えておきます。葬儀費用の準備があったり互助会などに加入している場合はそのことを伝えておきましょう。

《ライフメモ》では24~26ページに以下のようなことを記入しましょう。

思い描く葬儀の内容

《ライフメモ》P24

  • 希望する葬儀の方法
    かかるであろう費用等も考えながら葬儀の方法を考えます。
    神式やキリスト教式など仏式以外を希望する場合はここに記入しておきましょう。
  • 葬儀内容の詳細について希望(あれば)
    「好きな曲で送ってもらいたい」「好きな花を飾ってほしい」「大きな施設で行ってほしい」など葬儀内容の希望があれば記入しておきましょう。
  • 宗教・宗派の指定(あれば)
    檀家になっているなど特定の宗教宗派があればその宗教団体(宗教施設)を記入しましょう。
  • 戒名の希望(あれば)
    使いたい文字などがあれば記入しましょう。また、信士・信女、居士・大姉、院など戒名には種類がありそれぞれ値段が異なりますので、そういった点についても考えを記しておきましょう。

喪主をお願いする人や呼んでほしい人

《ライフメモ》P25

  • 喪主をお願いしたい人
  • 世話人をお願いしたい人
  • 是非呼んでもらいたい人
上記以外にも弔辞を読んでもらいたい人などがいればその旨記入しましょう。
あまりないと思いますが、絶対に来てほしくない人がいる場合も書いておくといいでしょう。

葬儀費用

《ライフメモ》P26

  • 葬儀費用として考えている資金の有無
  • 準備している費用詳細
    預貯金を費用として考えていればどの口座のお金か、費用負担のために資産の売却を考えている場合にはどの資産かなどの詳細を記入します。
  • 互助会に加入していれば詳細
  • 加入保険
    終身保険などの死亡保険に加入していれば商品名を記入します。
    ※《ライフメモ》では「保険のこと」の項目で詳細を記入しているので、ここでは商品名と保険会社名など簡単に記入しておけばよいでしょう。
預貯金を葬儀費用として考えている場合は口座の凍結に注意が必要です。
金融機関が死亡の事実を知った時点で、一定期間口座が凍結し現金の払い出しが出来なくなってしまいますのでその対応も考えておきましょう。ただし、凍結されてしまってからも一部の預貯金を仮払いという形で引き出すことは可能です。

納 骨 (お 墓)

管理の負担などから先祖代々の墓を墓じまいする人も増えているようです。
そんな後々管理する人のことも頭に入れ、自分にもしものことが起こった時にどのような形で納骨してほしいか場所・方法・費用について考えておきましょう。

《ライフメモ》では27ページに以下のようなことを記入しましょう。

《ライフメモ》P27

  • 希望するお墓
    将来考えが変わる可能性がある事項ですが現時点での考えはどうなのかを記入しておきましょう。
  • 決まった場所・希望の場所(あれば)
    その場所の名称や所在地と合わせて連絡先やかかるであろう諸費用の見込みなどもわかる範囲で記入しましょう。
  • お墓を継いでほしい人
    お願いしたい人にかかる負担も考え、できれば話し合ってから決めましょう。
  • 費用として準備している資金の有無
  • 準備していれば費用詳細
    預貯金を費用として考えていればどの口座のお金か、費用負担のために資産の売却を考えている場合にはどの資産かなどの詳細を記入しましょう。
  • 保険に加入しているか否か
  • 加入保険
    死亡保険など使えそうな保険に加入していれば商品名を記入します。
    ※《ライフメモ》では「保険のこと」の項目で詳細を記入しているので、ここでは商品名と保険会社名など簡単に記入しておけばよいでしょう。

相 続

相続を巡って兄弟姉妹の仲が悪くなったという話をよく聞きます。
自分の家族がそうならないようあらかじめ遺産の分割方法などを考えておきましょう。必要であれば遺言書を準備しておくといいでしょう。
また、専門業者に遺品の片づけを依頼したところ、貴金属などの装飾品や骨とう品などを安い値段で引き取られてしまったという話をよく聞きます。そんなことがないように、大事なものは特定の人に贈れるようあらかじめ仕分けをしておきましょう。

《ライフメモ》では28ページに以下のようなことを記入しましょう。

遺言書

《ライフメモ》P28

  • 遺言書の有無
    正式な手法で作成された法的に有効な遺言書を準備しているかどうかを記入しましょう。
  • 遺言書の種類
  • 保管先
  • 遺言執行者の氏名と連絡先
遺言執行者とは遺言の内容を実現することを任され、そのための手続きをする権限を持つ人です。

遺産分割

《ライフメモ》P28

  • 渡したい相手
  • 渡したい財産
  • その他の事項
民法の法定相続分を参考にすれば分割の割合は次のようになります。
相続人が配偶者と子供 ⇒ 配偶者1/2:子供1/2
相続人が配偶者と親 ⇒ 配偶者2/3:親1/3
相続人が配偶者と兄弟姉妹 ⇒ 配偶者3/4:兄弟姉妹1/4

形見分け

《ライフメモ》P28

  • 渡したい財産
    「ダイヤモンドの指輪」や「加賀友禅の着物」などそのものを特定できるよう細かく記入しましょう。
  • 保管場所
  • 渡したい相手
    親族以外の場合は名前の他に連絡先も記入しておきましょう。
一般的には価値のわかりずらいものでもコレクターなどにとってはとても貴重なものもあります。価値がわからず処分されてしまうことが無いように、そのようなものは決まった人に渡せるよう形見分けとして記入しておきましょう。

ここまでのまとめ

はじめに書きましたが、自分の死後の事を考えることはあまり気持ちのいいものではありません。そのため、そのことについて家族と話したことがない方が大半だと思います。
エンディングノートはそのような「きっかけがなければ考えないネガティブイメージなこと」「なかなか話す機会がないこと」を書き留めておくために有効な手段といえるでしょう。

出来ればエンディングノートの作成をきっかけに、そのことについて話す機会を作れるといいですね。

 

さいごに -エンディングノートをつくってみて-

今回の記事は、「何をするのか曖昧な終活という作業」を考えながら作成したオリジナルのエンディングノート《ライフメモ》についてまとめたものです。
ここまで複数ページにわたりその内容に沿って「自分のこと」「いろいろな場面での希望や要望」など多くの項目を確認しましたが、きっとエンディングノートに記入することはこれですべてではないでしょうし、終活として行うこともひとりひとり異なることでしょう。

年を重ね「終活」という言葉が気になり始めたら、少しづつゆっくりと自分らしく「何をするのか曖昧な作業」を始めましょう。

その時この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

 

シンプルエンディングノート《ライフメモ》では、巻末に「大切な人にむけたメッセージ」を残すページを設けています。
いつも近くにいると直接言葉では伝えにくいこともあります。せっかくの機会ですので、「今思っていること」「伝えたいこと」を日付とともに記録しておきましょう。
将来読み返すことでその時の思いを振り返ることもできます。