この歳になると、親族や知人の親の葬儀に出席することも増えてきました。
必然的に自分が死んだときのことも意識するようになり「終活」を考えるようになったのですが、葬儀の場で耳にして気になったのは、何よりも「銀行口座の凍結が思ったより早くて大変だった」という言葉でした。
私もいざというとき家族に迷惑をかけることのないよう、そのあたりのこともあわせて「終活」を始めることにします。
※2019年7月1日の相続法改正に伴い補足を追記しました。
「終活」について考える
そもそも「終活」とはどういったことを意味するのでしょう。
小学館デジタル大辞泉では以下のように定義しています。
《「就活」のもじり。「終末活動」の略か》人生の終末を迎えるにあたり、延命治療や介護、葬儀、相続などについての希望をまとめ、準備を整えること。→エンディングノート →遺言信託
[補説]平成21年(2009)に「週刊朝日」で連載された「現代終活事情」により広く知られるようになった。出典:デジタル大辞泉(小学館)
要するに、「自分が死ぬ前にしてほしいことや伝えたいことをまとめておき、いざという時に家族に負担がかからないようにする準備活動の事」ということでしょうか。そう考えると、「何をどこに保管している」とか「どの銀行に口座を持っている」とか「実は借金がある」とか、たとえ家族であっても伝わっていないことはたくさんあります。それを伝えないままいなくなった場合、家族に多くの作業を遺すことになってしまうでしょう。
また、「もし、痴ほうの症状が出てしまったらこうしてほしい」とか「葬儀はあまりお金をかけなくていい」とか、元気なうちは話しにくいこともあります。それを伝えておくことで、将来の家族の決断が多少は楽になるでしょう。
死んで家族に迷惑をかけることは本意ではありません。
思いついたことから、出来ることから、少しづつ始めてみようと思います。
実際に終活をはじめる
銀行口座の凍結に備える
タイトルにもありますが、終活というものを考えた時まず頭に浮かんだのが銀行口座の凍結です。
一旦口座が凍結してしまうと一定期間取引ができなくなりますし、その解除手続きには、相続人全員が関係する各種書類を揃え行う必要がありますので相当な手間がかかるようです。口座が凍結している間は、口座振替で支払っている各種公共料金やクレジットカードの支払いができなくなりますし、葬儀費用など一時的に必要になるお金も引き出せなくなってしまいます。実際そのような話を何度となく聞いていたこともあり、私の終活はまず配偶者名義の銀行口座を作ることから始めることにしました。タンス預金でもよかったのですが、手元にあると使ってしまいそうでしたので。口座を作る際には、後になって家族に迷惑がかからないよう以下の点に注意しました。
- 口座は配偶者に作ってもらい管理も任せる
配偶者名義の銀行口座を作っても、実際管理しているのが私であれば「名義預金」ということになり、将来のリスクになりかねません。口座は名義も管理も配偶者に任せ、もしものときの費用準備口座としました。 - 贈与税非課税枠内での入金
「名義預金」ではなくても、大きなお金を入金すれば贈与税の申告対象になってしまいます。そもそもそんなに大きなお金を移動させる余裕はないのですが、入金する額は生前贈与として控除される金額の範囲内としました。 - いつでも使える普通口座とし、引き落としなどには使用しない
本来なら当面使わないお金は少しでも利息のいいもので運用したいところですが、いざというときに使えないのでは本来の意味が失われてしまいますので普通口座とし、あたりまえのことですが引き落としなどには使わないことにしました。
エンディングノートを書き始める
一番の懸念材料だった口座凍結対策をしたので、次に考えたのがエンディングノートの作成です。
一度は市販のものを考えたのですが、書きたいと思っていたことをすべて記入できなかったため自作してみることにしました。
詳細は少し長くなってしまったので別の記事にしました。
さいごに
「終活」ということで、死亡時の銀行口座凍結に対する準備をしてエンディングノートへの記入を始めました。いざ始めてみると、あれもこれもといろいろなことが頭に浮かんできますが、いちどにする必要はないでしょうからこれからすこしずつ仕上げていきたいと思います。